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【落花生】

「ナンキンマメ(南京豆)」や「ピーナッツ」とも呼ばれる「落花生」は、夏に黄色の花を咲かせる草丈25-50cmの植物です。
受粉後、数日で子房と花托の間の部分が下方に伸び、地中に潜り込みます。そして、地中で子房が膨らみ、実を結ぶ、という「地下結実性」の植物です。花が落ちるようにして実を生む、ということから「落花生」という名前が付けられました。
原産地は南米。東アジア経由で1706年に伝わり、「南京豆」と呼ばれてきました。
18世紀以前の北アメリカでは、家畜や黒人奴隷用の食糧として栽培されていましたが、南北戦争による食糧事情の悪化で白人も食するようになり、「ピーナツ」の愛称が生まれたのです。
食用では、殻(豆果)のまま炒るか、殻からむいたものを炒ることが多いですが、殻のまま塩茹でして食することもできます。北海道、東北地方、千葉県の一部では節分の豆まきで殻付きの炒り落花生を用いる地域もあるのだとか・・・。
落花生の茶色い薄皮には、抗酸化物質(レスベラトロール)が含まれており、薄皮ごと食べる方が健康に良いそうです。

落花生の産地といえば【千葉県】。千葉県における落花生のルーツは、匝瑳郡鎌数村(旭市)の干潟付近でした。やせた砂地であった干潟地区には畑作として適当な作物がなかったので、鎌数村の戸長・金谷総蔵氏の努力により落花生産業が興り、やがて印旛郡の台地(八街市や富里市など)に普及します。
干潟地区で栽培されていた品種は、大粒の立性で、干ばつの被害を受けやすいという欠点がありました。しかし、当地(八街市付近)で栽培された品種は、比較的安定した収穫を得ることができる品種(青島種等)であったことから、次第に作付面積を増加させます。
1927年から県の農業試験場において落花生研究が始り、1930年には優良品種「千葉43号」「千葉55号」「千葉74号」が育成されまます。 特に「千葉43号」は良質、多収で栽培しやすく、干ばつにも強いため全国的に普及します。
戦時体制に入ると落花生の栽培は、八街市の一部の地域を除き禁止されますが、戦後、栄養価の高い食品として需要が増大し(価格が暴騰)、八街市を中心とした印旛郡台地での栽培が急激に増加したのです。
1952年に千葉県農業試験場で【千葉半立】が育成されました。

【千葉半立】は1952年に千葉県農業試験場で在来品種から選抜育成した品種です。草型は半立、株は横に広がり収量性は高くはありませんが、煎豆の食味が良好で、 千葉県作付面積の66%を占める品種です。
【ナカテユタカ】は1979年に育成された品種です。立性の草型で、収穫性が高い品質です。子実はやや大きく、煎豆はあっさりとした甘みがあります。
【郷の香(さとのか)】は1995年に育成された品種で、翌年、千葉県の奨励品種に採用されたものです。 早生で多く採れる品種で、草型は立性、株元に莢が集中するのが特徴です。ゆで落花生に適する品種です。
【オオマサリ】は、「ナカテユタカ」と極大粒品種である「ジェンキンスジャンボ」とを交配したものです。2006年に千葉県農業総合研究センターで育成された約2倍の大きさの落花生です。ゆで落花生に適しています。
【Qなっつ」は 「郷の香」と「関東96号」を交配したものです。2013年に育成された品種で、甘みが強く、煎豆に適した品種です。八街市などの県内各地で栽培され、9月頃に収穫されます。乾燥作業や煎り加工を経て10月中旬には店頭に並ぶそうです。

管理人のコメント

千葉に引っ越してきて、はじめて「ゆで落花生」を食べました。「おいしい~!」と感激しました。

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投稿日 2017/〇/〇

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