【大政翼賛会】とは、1940年10月12日から1945年6月13日まで日本に存在していた結社であり、近衛文麿を中心に革新派を結集させて結成された新党です。
1938年、国家総動員法案が、既成政党の反対によって廃案寸前に追い込まれた際に、近衛を党首する新党を作り、解散総選挙を行うことが検討されました。
しかし、この近衛新党によって、党が切り崩されることを恐れた立憲政友会（政友会）と立憲民政党（民政党）が、法案賛成に一転したことで、この計画は白紙に戻りました。
近衛（第一次近衛内閣）が総理を辞任した後、ヨーロッパで第二次世界大戦が始まります。
日本にも強力な指導体制が求められるようになり、名門出身で国民的人気の近衛に期待の声が高まりました。そして、米内内閣の後に第2次近衛内閣が誕生したのです。
この第二次近衛内閣では、国民を動員するための中核組織として、一国一党組織としての「大政翼賛会」を発足させます。
東京會舘を接収し、そこに本部を置き、総裁を内閣総理大臣とすることで、内閣総理大臣による独裁体制を敷こうとしたのです。
下部組織として、道府県支部、大都市支部、市区町村支部、町内会、部落会などが設置されました。
その動きに呼応するかのように、すべての政党が自発的に解散し、大政翼賛会に合流します。
1942年4月30日に実施された衆議院議員総選挙では翼賛政治体制協議会が結成され、定員と同数の候補者を推薦し、全議席の81.8%を当選へと導きました。
傘下として日本文学報国会を結成させ、大日本産業報国会・農業報国連盟・商業報国会・日本海運報国団・大日本婦人会・大日本青少年団の6団体を傘下に統合しました。大日本言論報国会を結成し、アジア主義団体の統制が行われるようになったのです。
©Asahi,Naoko
「国家総動員法」を認めてしまった時点で、近衛新党（＝大政翼賛会）の誕生が必然化してしまったのですね。国民の支持を得ようと、大政翼賛会に合流していった政党の「ふがいなさ」を感じます。
近衛人気に惑わされる国民（大衆）の目を醒ましてくれるような政党があればよかったのですが・・・、「政党」という組織の中で生きる人にそれを期待するのは無理なんでしょうか？
投稿日 2017/〇/〇
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