【憲法】とは、国家の組織や統治に関する根本原則を定めたものです。
戦前・戦中の日本は、明治政府によって定められた大日本帝国憲法に則って統治されておりました。
しかし、この大日本帝国憲法下の日本において第二次世界大戦(太平洋戦争)が引き起こされてしまったことから、ポツダム宣言が要求する「日本国民の意思による平和的な政府」を樹立させるためには、新憲法の制定が必要となったのです。
日本政府は憲法草案を作成してGHQに提出しました。しかし、政府案の内容が平和国家の建設を保障するものではなかったため、1946年2月13日、GHQは、吉田茂外相らに、国民主義(象徴天皇)、戦争放棄、華族制度廃止の3原則(マッカーサー三原則)を定めた憲法草案(GHQ草案)を手渡したのです。
マッカーサーは日本政府に対し、GHQ案に基づいて憲法改正案を作成し直す意思があるかないかを問いただし、「もし回答がなければGHQ案を国民に公表する」と迫ったのです。
国民に公表される前に、政府自らの手で憲法を作成する必要に迫られ、政府は「国民主義、平和主義、基本的人権の尊重」を基本原理とする日本国憲法を制定したのです。
日本国憲法が制定された翌年(1967年)、教育基本法が制定されます。
教育基本法にも、日本国憲法と同様、前文が置かれております。他の法律で「前文」をおくものは存在しません。
「教育基本法に前文が設けられた」ということは、教育基本法が「教育の憲法」であることを示すものであり、軍国主義へと導いてしまった戦前の教育制度に対する反省、という点で日本国憲法と共通するのです。
©Asahi,Naoko
1970年代、教育大学で学んだ私は「教育基本法=教育の憲法(つまり最高法規)」と教わりました。
教育基本法は、国民を軍国主義に導いてしまった戦前の教育の反省に立ったものであるから、「教育は不当な支配に属することなく、国民全体に対し直接に責任を負う」という第10条の規定が教育基本法の精神なのだ」と。
しかし、2008年の教育基本法の改正で、この第10条の規定は、あっけなく改変されてしまいました。
日本国憲法の精神が、あっけなく改変されてしまうことがないよう、願ってやみません。
それにしても・・・、「国民に公表するぞ!」という脅しが通用してしまうのが、日本の政府なのですね・・・。
投稿日 2017/〇/〇
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