【鋸山】【鋸南町】
房総半島の南部、【安房郡鋸南町】と【富津市】の境に位置する【鋸山】は、凝灰岩から成る山で、「房州石」と呼ばれる良質石材の産地でした。
江戸時代から盛んに採石が行われた結果、露出した山肌の岩が鋸の歯状に見えるようになり、「鋸山」と呼ばれるようになったそうです。
採取された石材は、横須賀の軍港や横浜の港湾設備、東京湾要塞の資材として利用されました。
自然保護の観点から採石は1985年に終了し、観光地として人気を集めるようになります。
鋸山全体が日本寺の境内となっており、山登りをしつつ日本寺大仏・百尺観音・千五百羅漢の拝観が可能です。
山頂付近の絶壁(石切場跡)から約100m下を望む「地獄のぞき」はスリル満点です。
鋸山の麓(国道127号から東京湾に向かう岬)は【明鐘岬】と呼ばれ、夕日観賞には絶好です。岬に実在する喫茶店は2014年の吉永小百合主演の映画『ふしぎな岬の物語』のモチーフにもなりました。
【鋸南町(きょなんまち)】は南房総地域の観光都市で、海岸部は南房総国定公園に指定されています。日本三大水仙群生地で、内陸部は房総丘陵で、北隣の富津市との境には鋸山があり、南端には浦賀水道に突き出た西ヶ崎があります。
【保田】【勝山】などの漁港があり、勝山沖には島や岩礁が望めます。
1180年、(石橋山の戦いに敗れた源頼朝が、箱根別当にかくまわれた後、神奈川県足柄下郡から出航し、現在の竜島付近に到着し、起死回生を果たした地です(頼朝上陸の碑が竜島海岸に建立されています)。
関東初の商業捕鯨が行われた地です。
漁港の町【保田】は浮世絵師菱川師宣の出身地です(師宣の死後、子孫は保田に戻って、紺屋となったそうです)。
江戸時代、保田海岸は夏目漱石なども訪れた「房州海水浴発祥地」で、小林一茶・徳富蘆花・若山牧水・獅子文六らが好んだ「文化人の里」でした。
1959年に【勝山町】と【保田町】が合併して【鋸南町】が誕生します。町名は、聖武天皇の勅願により開山された霊場「日本寺」で知られる【鋸山】の南に位置していることから付けられました。安房郡に属する唯一の自治体です。
管理人のコメント
ロープウェイを降りてからも、結構、きつい…。なかなか歩きがいのある山でした。
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投稿日 2017/〇/〇
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